トイプードルの室内でのマーキング対策とは?

トイプードルの室内でのマーキング対策とは?

散歩中に犬がマーキングすることは本能的に自然な行為ではありますが、頻繁にやられてしまうと困りものです。特にトイプードルの様な室内犬がマーキングの癖がついてしまうと大変ですよね。

ここでは「犬と猫の飼育大百科」がマーキングの対策についてご紹介します。

マーキングとはどういう行為なの?

犬がマーキングをする理由は、自分の存在を他の犬にアピールするためとなります。マーキングの特徴的なポーズは足を高くあげ、電柱などの高い位置に尿をかけるというものです。より高い位置にかけることで、他の犬に「自分は大きくて強い犬だ」ということを主張しようとするのです。

マーキングは少量の尿を様々な場所にする点や、普段の尿よりもにおいが強い点など、排泄時とは違う特徴があります。また一般的にはオスがする行為だと思われがちですが、メスも縄張り意識が強い場合や、発情期にはマーキングをします。

どうして室内でマーキングをするの?

他の犬に自分の存在を知らしめるためならば、家の中でマーキングをする意味などなさそうに思いますよね。実はマーキングは様々な意味あいがあるといわれています。

家の中全体が自分のテリトリーだと思っている

マーキングは本来は自分の縄張りを守るための行為です。つまり家の中で愛犬が自分が一番偉いと思い、家族を群れの一員と認識していると、たえず縄張りをおかされないようにマーキングをしていまうのです。

マーキングをどこにでもして良いと思っている

外で電柱などでおしっこをして「ちゃんと外でおしっこできたね」と褒めると、「マーキング=褒められる」と思ってしまう子も中にはいます。また、家の中でマーキングをして、家族が大騒ぎしていると褒められたと勘違いしてしまい、繰り返してしまうこともあります。その2つが重なると、「どこでもしていいんだ」と思ってしまいます。

不安やストレスのあらわれ

犬が室内でマーキングをしてしまう理由には、飼い主との関係や生活環境の変化などのストレスが大きく関わっています。

生活環境の変化の具体例としては飼い主に赤ちゃんが産まれて育児に時間をとられるようになり、飼い主の愛情が自分以外のものへと移り、やきもちをやきマーキングをしてしまうこともあります。そして引越しなどで今まで生活していた環境ががらりと変わるということも、不安からストレスを抱えることになり、マーキングにつながる場合もあります。 また、留守番中のマーキングは、一人にされる過度な不安から、分離不安という精神的な病の可能性もあります。

おしっこをさせてあげる回数が少ない

外でしかおしっこをさせないようにしつけているワンちゃんの場合は、散歩の回数が少ないとおしっこ我慢できずに家の中に小出しにしていまう場合があります。「犬の排泄は朝晩の2回で十分」と書いてある本もありますが、活動量や水を飲む量などで差がありますのでご注意ください。

発情している

オスの場合、近所にメスの犬がいて、その犬が発情期を迎えていると、その臭いにつられてオス側も発情します。そうすると、マーキング行動が頻繁になる傾向があるようです。メスの場合で普段はマーキング行為をしなくても、自身が発情期を迎えているときには、マーキングをしはじめることもあります。

マーキング対策

それぞれの原因ごとに対策をあげていきましょう。

家の中の行動範囲を狭める

犬を家の中で放し飼いにしていませんか?そうすると犬自身がリーダーだと勘違いしてし、「家全体を守らなければ」とプレッシャーを感じマーキングにつながってしまいます。家の中で犬をゲージやサークルに入れてかわいそうと思うかもしれませんが、活動範囲を狭めることでプレッシャーから解放されて安心できるようになります。

もし今、家の中どこでも行き来できるようなっているのなら、そこからテリトリーを狭めていく必要があります。例えば犬が自由に過ごせる部屋はリビングと寝室というふうに決め、そのほかの部屋はドアを閉めたり柵を立てたりしてれないようにします。すると一か月も経つと自然と行動範囲も狭まり、マーキングする箇所も減っていくことが多いようです。

排泄をしていい場所をおぼえさせる

  • 犬におしっこをしてよい場所とだめな場所をはっきり覚えさせていくというのが基本です。
  • 家の中では、足をあげておしっこをしていいトイレをひとつ準備します。
  • そこでおしっこができたら褒めてあげましょう。
  • その他の場所で、においを嗅ぐなどしてマーキングをしそうになったら、強く厳しい口調で「いけない」「まて」という声をかけ、実際にしてしまう前にトイレに連れて行きます。
  • 犬をトイレに連れて行ったあと、「トイレ」「よし」と許可を示し、うまくトイレでおしっこができたら褒めます。

散歩のときにも、犬がマーキングのために立ち止まってクンクンにおいを嗅ぎ始めても、そこで歩くのを止めてはいけません。しばらく先まで歩き、そこで「エンプティ(おなかの中をからにしなさいという意味)」でも「トイレ」でも「シシ」でもいいですから、必ず排泄を指示する言葉をかけて犬が排泄するまで待っています。そして、そこで犬が無事に排泄できたら褒めてあげましょう。

犬の行動学に詳しい獣医師やドッグトレーナーに相談する

愛情不足やストレスでマーキングしてしまう場合は、そのストレスの根本を無くすことが一番です。あまり構ってあげることが少ないのであれば、スキンシップを増やしましょう。毎日のブラッシングを少しでも日課にするとか、散歩中に携帯ばかり見ずに、愛犬にたくさん話しかけてあげましょう。

また、一人でいることが耐えられない分離不安の状態になってしまっていたら、専門家に相談することをおすすめします。飼い主さんのライフスタイルに合った対策を一緒に考えてくれるでしょう。

散歩、もしくはトイレを増やす

単純な解決案ですが、外でしか排泄ができない犬の場合、散歩を増やすことが第一に考えられます。しかし雨の日が続いたり、飼い主さんが忙しくてどうしてもお散歩にいけない場合は、膀胱炎になってしまう可能性もあるので、やはり家の中で一か所でもいいのでトイレを設置することをおすすめします。

去勢・避妊を検討する

90%のオス犬はマーキングの習性があり、去勢をすることで50%に減るというデータがあります。オス・メスどちらの場合も、この発情期によるマーキング行為は去勢・避妊手術をすることで抑えることができると言われています。あまりにも問題行動が多い場合は、検討してみても良いかもしれません。

まとめ

マーキングにも様々な理由がることが分かりましたね。もしもマーキングをしてしまったら、なぜマーキングをしたのかその理由を考え、その原因となるストレスを取り払う必要があるでしょう。

マーキングをしているのを見つけた飼い主の多くは、とにかく叱るという人が多いでしょう。しかし叱るだけで原因を取り除かなければ、なんの解決にもならないのです。さらに叱られることで、余計にマーキングがひどくなることも考えられます。

マーキングを防止するためには、飼い主自身が原因を探り、強いリーダーシップを示して生活していくことが重要です。

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